ジャズに親しもうとして挫折したという経験が2回ほどある。 だがジャズを楽しめないのは人生の何分の一かを損しているのではないかという思いが常にあり、3度目の挑戦中。 ド定番らしいこのアルバムで。
うーん……。 やっぱり、すんなりその世界にのめり込めないんスよね。
そうなる理由は二つあって、一つ目はちょっとそのネットにおけるウンチク情報の多さ。ウィキペディアなりレビューなりを開くともう、楽器がどうした、リマスタリング効果がどうだっていう、そんなのが溢れかえっているでしょう。
方や、マイルス・デイビスさんはというと、ジャズはこうだと言っている。
「ジャズを聴くのに理屈をこねちゃあいけない。オレも『楽しい』演奏をしているだけさ。そして、聴いている人も『楽しい』のなら最高さ。」
『驚こう学ぼう楽しもう』(木村太郎、講談社インターナショナル刊)
ジャズ好きを自認する日本人というのは、なんだかご飯をフォークの背中に載せているような無理を「楽しんでいる」ような気がする。
もう一つは、伸びゆくトランペットとか精緻なドラムの音とか、確かにすごいとは思う。思うのだが、もっぱらそれ一辺倒で飽きてしまうというのがある。 いくら旨いステーキでもこんな量食えるかよ、ということ。 花鳥風月を愛でる日本人にはちょっと壮大過ぎ、南蛮渡来ということでありがたがっているという面はないだろうか。
とは言いつつ、相当に熱く語るという人がいるということは、見知らぬ相当な何かがあるのだろう。 お薬を飲む感覚で、半ば強制的に流してみたりを繰り返している。
(竹)
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