2015年02月28日

矢野顕子 - 飛ばしていくよ

矢野顕子さんのアルバムは『峠の我が家』が一番好きなんだが、30年近く前の作品。で、齢を重ね、声が掠れるということがない。それどころか、ますます艶を増していている気がする。 そんな、サザエさん一家的強靭な声帯を持つ、矢野顕子さんの最新作。

このアルバムの印象は、何回も聞くうちに「まあこんなものか」→「あれ、意外と良い」→「なんだか哀しい」と変化していく。

初聴の印象は、「あれ、テクノ?」。 Amazonのレビューを見てみたら、やはりテクノであった。 脱ピアノかと思ったら、テクノへ回帰していくところが面白いことは面白いんだが、これといって新鮮味があるわけでなしと、こんなものかということになった。

もちょっと聴きこんでいくと、テクノの中にもピアノの音を混ぜ込んでいたりして、結構作りこまれているなあという印象に変わる。 「ISETAN-TAN-TAN」なんかが、いかにもテクノなんだが、矢野顕子さんの家族をモチーフにした歌詞と良く合っていて良い。

そして、ちょっと哀しくなってきてしまったのも、「ISETAN-TAN-TAN」。
ママに買ってあげたい 足が細くみえる靴
履いてゆくとこないでしょって 言わないで

パパにきっと似合う お腹へっこんでみえるズボン
手をつないであげようかな 思い切って

お金があっても無くても 買ってあげたい人がいる
その日がくるまで待っててね
晴れた空でも雨の日でも 電車にのって出かけよう
わたしが着くまで待っててね
ISETAN-TAN-TAN
いまどき、小学生ぐらいの女の子がいる家庭で、デパートでお買い物する層というのは、日本に何パーセントいるだろうか。 昼時の伊勢丹のレストラン街なんかは、年功序列・終身雇用の恩恵をフルに受けたであろう、ジジババだらけだったりする。

いまどきの典型的な家族が、気軽にお買い物でお出かけとなると、イオンモールか何かであり、昼飯はフードコードのマクドナルドや「はなまるうどん」に行列をなす、という塩梅だろう。

ニューヨーク暮らしが長いせいか、ちょっとズレてるよ。 音楽そのものとしては、本当にいいんですよ。 良いだけに、なおさら哀しくなってくるものがある。

(竹)





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posted by ワタオン | 日本・女性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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